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【建築士が教える】木造住宅の耐震性の基本 熊本地震での倒壊の明暗はどこに

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2016.09.01

近年頻発する大地震、とくに2016年4月に発生した熊本地震を契機として、木造住宅の耐震性に疑問を持たれた方は多いのではないでしょうか。
熊本地震では多くの木造住宅が倒壊し、耐震基準を満たした住宅でさえも倒壊被害を受けてしまいました。

しかし、木造住宅は古くから日本人の生活に寄り添い、コストや施工期間、環境配慮を踏まえると、最も日本の風土に適した工法といわれています。

そこでこの記事では、木造住宅の耐震性について基本となる情報をまとめたうえで、耐震補強や、熊本地震における住宅の倒壊について解説をしています。
災害のたびに改良され、今なお発展を続ける木造住宅の耐震性について、情報を整理したい方や、不安と疑問を持たれている方は、ぜひ目を通してみてください。

1.木造住宅の耐震性の位置づけ

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1-1.コストや工期を度外視すれば構造による優劣はない

現在、日本の住宅において主に用いられている構造は、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート構造の3つです。

これら住宅の耐震性についてですが、まず木造住宅の場合、壁の量や配置(壁量計算)によって決まります。
鉄骨造、鉄筋コンクリート構造の場合は、構造計算によって決まります。

一般的な住宅程度の規模であれば、数値上においてはどの構造建築においても、これら計算に基づいて設計すれば耐震性を同等にすることができます。
つまり極論を言ってしまえば、コストや工期を度外視すれば、住宅の構造による耐震性の優劣はないということです。

1-2.建物の重量の面ではもっとも揺れにくい構造

耐震性において、建物の重量も重要な要素です。
地震エネルギーは、建物の重量に比例して大きく働きます。つまり、重い建物ほど、地震によって大きく揺れることになります。

建物自体の自重は、鉄筋コンクリート構造>鉄骨構造>木造の順になります。
ちなみに鉄筋コンクリート構造の建築物は、木造建築物と比べて約5倍の重さにもなります。

建物の大きさが同等規模の鉄筋コンクリート、鉄骨、木造の建築物があった場合では、一番軽い木造住宅がもっとも揺れず、被害が少なく済むというわけです。

1-3.品質管理の面ではその他の構造に劣る

耐震性を十分に発揮するためには、現場での適切な品質管理が重要になります。

この点においては、工場生産や規格が整っている鉄骨構造や鉄筋コンクリート構造の方が、設計通りの耐震性を発揮できるといえます。

木造住宅は、現場での加工が多くなりますので、施工管理の緻密さや職人の腕によって、品質にばらつきが生じやすいという性質があります。

木造住宅を検討する際には、信頼できる施工会社選びがその建物の耐久性の面でも重要な役割を担っているのです。

2.耐震性はなにで決まるのか

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木造住宅の耐震性は、2階建てまでは壁量計算によって決まります。
3階建てからは、確認申請の際に鉄骨構造や鉄筋コンクリート造と同様、構造計算が求められます。

それらの結果(評点)によって耐震性は示されるのですが、その評点を決める上で重要になる部分について解説します。

2-1.基礎

基礎は、1階の柱や壁の下に沿うように配置される、建物を一番下で支える重要な構造体です。

現在の木造住宅の基礎で一般的に普及しているのは、布基礎とべた基礎といわれる工法です。

布基礎とは、1階の壁の下だけにRC(Reinforced-Concrete:鉄筋コンクリート)造の基礎を形成する方法です。
基礎が壁の下のみで済みますので、べた基礎に比べてコストや工期がかかりません。

べた基礎は、1階の底板全面にRC造の基礎を形成します。
面で建物を支える構造ですので、布基礎に比べて耐震性が優れます。
また、防虫(シロアリ)や地面からあがってくる湿気を防止するといった面でも、べた基礎を採用した方が建物の寿命も長くなることが考えられます。

布基礎もべた基礎も鉄筋コンクリート構造で作られるため、十分な強度を持たせるためには配筋の量、間隔、コンクリートの強度を設計通りに施工することが大切です。

2-2.建物の重量

前述のとおり、地震エネルギーは建物の重量に比例して大きく作用するので、建物自体の重量は軽い方が被害が少なく済みます。

木造住宅の場合、建物の重量を左右するのは、外壁仕上げ材と屋根材です。

建物の重量を軽減するには、まず外壁の仕上げ材に軽量であるサイディングを採用するとよいでしょう。
また、屋根材には日本瓦よりも、耐震性に考慮された軽量瓦やスレートを採用するとよいですね。

2-3.壁

壁は、木造住宅の耐震性における最も重要な構造体のひとつといえるでしょう。

現在の木造住宅は、耐震壁と呼ばれる地震エネルギーに対して有効に働く壁を採用しています。
これをバランスよく、適切な量を配置することで強度を保っています。

バランスの良い耐震壁の配置によって、建物の重心と剛心の関係が決まり、地震に強い木造住宅になるかが決まるのです。

重心とは、建物の重さの中心点のこと。
例えば、長方形の住宅の場合は、対角線を結んだ×の中心点が重心となります。

剛心とは、建物の強さの中心点のことを言います。
地震の揺れのような水平力が建物に加わった場合、その力に抵抗する強さが一番強く働く場所になります。
例えば、内部に間仕切りのない長方形の住宅で、外周部全てを耐震壁にした場合、その建物の剛心は長方形の対角線を結んだ×の中心点となります。

実際に、異なる2つの間取り図で、剛心と重心の位置関係を確認してみましょう。

赤丸が重心、青丸が剛心となります。

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地震のような水平力は、建物の重心に一番強く負担をかけます。
その水平力に抵抗するのが剛心なので、重心と剛心の距離が離れていると、建物に「ねじれ」の力が働いて、損壊を起してしまうのです。

ですから、重心と剛心の距離を近づけるために、バランスの良い耐震壁の配置と、間取りの設計が重要になってくるというわけです。

2-4.直下率

バランスの良い耐震壁の配置を検討したうえで直下率まで検討をすると、木造住宅の耐震性はさらに向上します。

直下率とは、2階の壁の真下に1階の壁がある割合のことをいいます。
直下率を高めていれば、地震があった際、2階へかかる地震の水平力は上手く1階へ伝わり、力を逃がす効果が期待できるのです。
わかりやすく言ってしまえば、2階の重みを1階できちんと支えられれば、耐震性は上がるというわけです。

実は熊本地震時に倒壊した住宅については、この直下率の低さが原因のひとつとして指摘されています。
具体的には、1階に壁のない広いリビングなどがあること。開放感のある人気の間取りですが、1階に壁がないということは、2階を支える部分が少ないということでもあるのです。

また、この直下率は、現段階では建築基準法等に確保するべき明確な数値が定められていません。
耐震基準法の範囲内であれば、直下率が低くても建築には問題ないのです。

ご自宅の直下率は、1階と2階の平面図を重ね、壁の位置がどの程度合っているかをみることで簡単に確認できます。
もし感覚的に壁が少ないのではと感じたら、耐震診断を行い、専門家に相談してみましょう。
場合によっては耐震補強を行い、壁を増やすことを検討してもよいでしょう。
耐震性は専門家の領域ですが、実際に住む人の利便性(家事動線など)も考慮する必要がありますので、充分な検討が必要かと思います。

2-5.金物

木造住宅では、多くの金物が使用されています。
金物は木材同士の継手部分の補強や、基礎と木造軸組み(簡単にいうと骨組み)を強固につなぐ重要な役割を担っています。

特に耐震壁が配置された部分の基礎には、地震の際に大きなエネルギーが掛かります。その部分が基礎から剥がされないようにするための金物は、とくに重要です。

適した位置に適した金物を設置することで、木造住宅の耐震性は適切に保たれるのです。

2-6.設計と施工管理

ここまで挙げた木造住宅の耐震性を決める要素を適切に設計することが、なによりも大切です。
あわせて、現場で設計通りに工事が行われているかを確認する施工管理も、木造住宅の耐震性を決める上でとても重要な要素になります。

逆にいえばこの点が、「1-3.品質管理の面ではその他の構造に劣る」で解説したとおり、施工管理の緻密さや職人の腕によって品質にばらつきが生じやすいという弱点でもあるのです。

木造住宅の施工管理は担当する現場代理人(現場監督)が行いますので、信頼できる施工会社を選ぶことが大切です。

2-7.地盤

住宅を建てる場所の地盤が地震に強いかを建築前に調査することは、すでに常識となってきています。
ここまで解説してきたことを守り、建物の耐震等級をクリアしたとしても、地盤が強くなければ地震による家屋損壊の心配はぬぐえません。
後述いたしますが、熊本地震における益城町の倒壊被害においても、地盤の弱さが指摘されています。

地盤調査によって地盤が弱いと判定された場合は、地盤補強をする必要があります。
地盤補強の種類は、一般的にべた基礎の採用、表層改良、杭改良の方法が取られます。

コストは数万円~数百万円と幅広いため、土地を購入する前にある程度の地盤の強さを知っておくことが大切です。
自治体のホームページや、古地図などで地盤の強さなどを確認することもできますので、一度目を通しておくといいでしょう。

3.耐震等級による比較について

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住宅の耐震性の指標として、耐震等級というものがあります。実はこの耐震等級、単純には比較ができない指標なのです。

たとえば、耐震等級3の木造住宅が、耐震等級1の鉄筋コンクリート構造住宅より強いとは言い切れません。

そもそも建築構造によって建築基準法で定められている強さの規定は異なり、異なる構造同士をこの指標で比較することができないのです。

3-1.耐震等級はどのように決まるのか

まず、耐震等級は3段階で定められています。
等級1は建築基準法の規定通りの強さ。等級2は建築基準法の1.25倍、等級3は建築基準法の1.5倍の強さとなります。

耐震等級1をクリアするためには、「壁量計算」で耐震性をチェックします。

耐震等級2または3をクリアするためには「壁量計算」に加えて、上下階の壁量の比率バランスや、その地域の地震係数を検討します。
ただし、耐震等級1で想定する地震地域係数よりも厳しい数字を使って検討しなければなりません。

ですから、耐震等級2または3を得るためには、単純に建築基準法に定められた1.25倍、1.5倍の強さにすれば良いというわけではありません。
住む地域を考慮しながら、上下階の間取りのバランスや建物の形状、仕上げ材の種類までも検討する必要があるのです。

3-2.耐震等級とは何を保証するものなのか

建築基準法の1.25倍、1.5倍の強度が耐震等級として定められているということは、建築基準法の耐震性の規定など信用できないということでは?と、疑問を持たれるかもしれません。
前提として、建築基準法に準じた住宅は、巨大地震時に人命を助けることは保証するが、建物の資産価値がなくなってしまう可能性があるということを理解しておきましょう。

つまり、大地震のあとに人がその建物から安全に脱出する時間を確実に保証することが、建築基準法が定める耐震性の目指すところなのです。
大地震の揺れによる圧死は防ぐが、その後もその住宅に住めるかは保証されないというわけです。

具体的な建築基準法の耐震性の規定は、以下のとおりです。
建築基準法の耐震性の規定は、以下のとおりです。
・建築物が建っているあいだに何回か遭遇するであろう中規模の地震(震度5程度)に対して、ほとんど損傷が生じないこと。

・建築物が建っているあいだに一度は遭遇することを考慮するべき大規模地震(震度7程度)に対して、倒壊・崩壊しない耐震性。

つまり、建築基準法の規定は、巨大地震でも人命が失われないことを目標とした基準であるということです。

耐震等級2、3によって、建築基準法の規定以上の強度を付加するということは、それだけ建物が地震に対して強くなり、安心感を得られるというものです。
しかし、相手は自然災害なので、絶対的な安心はありません。
とても大雑把な言い方ではありますが、耐震等級は保険のようなものと考えるとよいでしょう。

4.自宅の耐震性の確認方法

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ここまで解説した内容は、新築で建築する際や建築前に確認できることです。すでに住んでいる住宅については、別の方法で耐震性を確認します。

この章では、自分で行う方法と、専門家による耐震診断を受けるふたつの方法について解説していきます。

4-1.自分で行う方法

まず前提として、自分で行う耐震性の確認は、専門家へ相談すべきか、そのままでも大丈夫かを判断するために行うものだと理解しましょう。
耐震性に全く心配点がないことがわかればそれでよいのですが、不安な箇所があれば、専門家の診断を受けることをおすすめします。

自分で耐震性を確認する場合は、国土交通省住宅局が監修した「誰でもできるわが家の耐震診断」を活用してみましょう。
この診断を行うことで、ご自宅のどの部分が地震に対して強いのか、逆にどこが弱く働いてしまうのかを具体的に確認することができます。

方法としては、1~2階建ての木造住宅の耐震性能を簡易的に確認し、各項目の評点を合計して、自宅の耐震性の信頼度を判定します。
確認項目は、建てた時期、災害経歴、増築経歴、傷み具合、平面の形状、大きな吹き抜けの有無、1階と2階の壁位置の関係、壁の配置バランス、屋根材、壁量、基礎の形状などです。

4-2.専門家の耐震診断を受ける

専門家による耐震診断は、お住まいの市区町村や都道府県の建築行政担当部門に問合せをすることで受けることができます。
耐震診断士の有資格者が派遣され、耐震診断を行います。

自治体によっては、耐震診断費用や耐震改修工事の補助してくれる制度や、無料で行ってくれる制度もあります。
診断を申し込む前に、窓口で相談してみると良いでしょう。

なお、耐震診断を行う耐震診断士についてですが、実は耐震診断士という公的な国家資格があるわけではありません。その点で、不安に思われる方もいるかもしれません。
しかし耐震診断士は、建築と耐震設計の知識を持った人しか取得できないものなので、安心してください。

耐震診断士になるには、国家資格である建築士の資格を持つ人でも講習を受ける必要があります。
また、建築士の資格を持っていない場合は、建築防災センターの講習と考査試験を受ける必要があります。
いずれの場合も、きちんと知識を確認されたうえで認定されているのです。

5.耐震補強について

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耐震診断を受けて補強の必要があるという判定された場合、建物の安全性を確保するために耐震改修工事が勧められます。

耐震改修工事は、耐震診断士の診断結果をもとに必要な強度を得られるように設計され、見積が提示された上で施工会社と契約を交わし行われます。

木造住宅の耐震補強工事は部分的に行うこともできますので、10万円以下で工事を完了できる場合もあります。
もちろん、補強や修繕が必要な箇所の数が多くなると、そのぶん工事費用は増加していきます。

全面的の補強が必要な場合、工事期間中の仮住まいが必要になることもありますし、新築という選択肢が浮上することもあります。

10万円以下で済む場合から数千万円の費用が必要になる場合まで、耐震改修工事に掛かる金額は住まいの状況によって大きく変動します。
耐震診断を受け、工事の見積もりを取る際、費用の幅が大きいことは念頭に置いておきましょう。

以下に耐震改修工事で行われる一般的な方法をご紹介します。

5-1.壁の補強(壁量の確保)

耐震診断では、既存の耐震壁の量から、剛心と重心のバランスを判定します。場合によって、剛心と重心のバランスを整え、必要な耐震壁の量を確保する補強工事を行います。

構造用合板や筋交いを既存の壁に追加する方法と、壁のない部分に新しく耐震壁をつくる方法によってバランスを整えます。

耐震補強の必要な木造住宅の多くは、この壁の補強のみで評点をクリアすることができますが、必要に応じてさらに以下の工事も追加されます。

5-2.基礎の補強

玉石基礎などの耐震性に乏しい基礎の場合、鉄筋コンクリート構造の布基礎に作り替え、基礎と土台を金物で緊結する工事を行います。

5-3.腐食部分の補修、取り替え

シロアリや腐食の被害を受けやすい1階部分の土台を必要に応じて取り替え、金物で基礎と留め具などで結合します。

5-4.金物の設置や屋根の葺き替え

木材同士の接合部分や筋交いの根元などに金物を設置し、接合を強固にします。

屋根材が重い日本瓦等の場合、スレートや軽量瓦に葺き替えることで建築物の重量を軽くします。

いずれも、2章で解説した耐震性の評点にとって重要な要素ですね。

6.熊本地震における住宅の倒壊について

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2016年4月に起きた熊本地震は、震度7の地震が立て続けに発生するという、観測史上初めての災害となりました。

この地震により、現行の建築基準法の規定に沿って建てられた住宅でさえ、倒壊および全壊の被害を受けました。
建築基準法の耐震基準が大きく見直された昭和56年以降の住宅は、阪神淡路大震災および東日本大震災でも、ほとんど倒壊被害は見られていません。
このことからも、熊本地震による被害の衝撃が窺えると思います。

住宅の耐震性について、再び議論と見直しが始まっています。

6-1.万全ではなかった耐震性

現行の規定を満たした住宅や、耐震等級2の住宅でさえも倒壊被害を受けた理由として、以下のことが挙げられています。

・軟弱な地盤による揺れの増幅
・間取りにおける耐震壁の配置バランスの悪さ
・1、2階の壁位置の不一致(2階の耐震壁の下に1階の壁が無い)
・接合金物の不備

いずれも、ここまで解説した耐震性において重要な要素で、不備があったことがおわかりいただけると思います。
このように、実は構造上の不備に近い状態にあっても、耐震等級を取得できてしまうというのが、現在の住宅事情なのです。

6-2.構造上の不備が見落とされる現状

2階建てまでの木造住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート構造に比べて、いい意味でも悪い意味でも手軽に設計し、建設できてしまう部分があります。

実は設計の際に用いられるのが壁量計算について、2階建てまでの木造住宅の建築確認申請では義務化されていないのです。
そのため、耐震性における設計は、担当者の責任で行われている場合があります。

この場合、担当者のミスや、施工管理者のミスが重なったとしても、壁量に対しての第三者のチェックは入りません。
結果として、ミスが改善されないままに建物が完成して、顧客に引き渡されるといった事態も起こりえるのです。

6-3.釘の長さ不足

熊本地震による倒壊原因として、構造用合板を止めるための釘の長さ不足が原因のひとつとして指摘されています。
つまり、耐震壁を作るためには決められた長さの釘を使う必要があるのに、それが満たされていなかったというわけです。

これは現場検査を行う第三者機関では、見つけることのできない不備です。
現在の木造住宅の耐震性は、数値上で統一化することはできますが、設計・施工は請け負う建設会社の力量や管理体制において、優劣がついてしまう状況なのです。

6-4.観測史上初めての連続した震度7の揺れ

これらの不備は見過ごせないものではありますが、通常の大地震であればここまでの被害につながるものではなかったでしょう。
熊本地震で特徴的なのは、短時間で2度にわたる震度7の揺れが発生し、追い打ちをかけた点にあります。

前述のとおり、建築基準法では「建築物が建っているあいだに一度は遭遇することを考慮するべき大規模地震(震度7程度)に対して、倒壊・崩壊しない耐震性」を保証します。

熊本地震では、1度目の揺れで受けた損壊部分を補修する間もなく、2度目の揺れが発生しました。
この蓄積されたダメージによって、2度目の揺れでは十分な耐震性が発揮されなかったと考えられます。

7.まとめ

木造住宅の耐震性を十分に発揮するためには、設計段階の壁配置の配慮や、適切な施工管理等の建築確認申請では確認しきれない部分まで考慮する必要があります。

信頼できる建設会社を選ぶことはもちろんですが、住まい手自身も関心を持って工事に関与し、完成後も自宅の耐震性について知識を持って管理を行うことがとても大切なのです。

まずは自分でできる耐震診断から知識を深め、大切な住まいと家族を守りましょう。