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子育ては間取りで変わる 育児中の建築士がおすすめ間取り図で解説

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2016.05.12

子育て中の方や、将来的に子育てを見越している方が家づくりをする際、子どもの発育や将来に良い影響を与える家にしたいと考えると思います。

そのうえで、毎日の家事もストレスなく、スムーズにできれば理想的ですよね。

そんな子育てに役立つ家づくりのポイントを、今も子育てに奮闘している建築士が自身の経験をもとに解説します。

また、間取りは簡単には変えられないものです。この記事では、子どもが独立したあとにも対応できる家づくりを想定しました。

オリジナルの間取り図をもとに、家づくりのポイントをわかりやすくまとめましたので、間取りで悩んでいる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

1.子育て世代におすすめの間取り

まずは簡単に、この記事で解説していく内容を盛り込んだ間取り図をご紹介します。

もし、間取りについて疑問が出てきたら「建築士が教える住宅間取りの基本(5つの間取り図付き!)」も参考にしてみてくださいね。
意外とわからない住宅用語や失敗しがちな間取りなども解説していますよ。

なお、間取り図は以下の条件を想定して作成しました。

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木造2階建て
土地面積:約30坪
建ぺい率:50% 容積率:100%
家族構成:夫、妻、子供2人(4才、1才)

1F解説

①外水栓
植栽への水やりや洗車に役立ちます。また、お湯がでるように配管しておくことで、足を汚して帰ってきた子どもやペットの足洗いも快適になります。

②駐車場への便利なアプローチ
寝室の掃き出し窓(人が出入りできる大きな窓)から駐車場への距離を近くしています。
荷物の運搬や眠った子どもを抱えたままの乗り降りが楽になります。
→「2-3.駐車場までの便利なアプローチ」

③玄関土間に手洗い器
玄関に入ってすぐの手洗い器は、子どもの手洗い、うがいの習慣づけに役立ちます。
また、家のなかに持ち込みたくない砂や泥汚れを落とすのにも活躍してくれます。

④幅広い上がり框(かまち) 1.7畳(1.8m)
3人程度が同時に靴を履けるため、スムーズなお出かけに役立ちます。
→「4-1.理想的な玄関の広さ」

⑤シューズインクローク(SIC)
ベビーカー、三輪車、靴、コート、少量のアウトドアグッズなどが収納できます。
→「4-2.シューズインクロークを取り入れる」

⑥将来を考えた子ども部屋
新築の段階では広い部屋にしておき、将来的には2部屋に分け、子ども部屋として使うことを想定しています。
子どもが小さいうちは、この部屋で家族みんなで寝てもいいですね。
→「3-1.将来を考えた子ども部屋の設計」

⑦回遊動線
家のなかをぐるっと一回りできる動線を確保することで、圧迫感がなくなります。
また、家のなかで家族の気配を感じやすくなりため、安心感のある住まいになります。
もしもの時の非難ルートの確保や、お子さんがのびのびと遊び回る際にも役立ちます。
→「2-1.回遊動線を取り入れる」

2F解説

⑧階段の踊り場のワークスペース
階段の踊り場を広めにとってワークスペースにすることで、2階建てに生じやすい各階の孤立感を解消し、家全体のつながりを強くしています。
→「3-3.家族の気配をほどよく感じる間取り」

⑨無駄のない家事動線
キッチン、洗濯機、洗濯物を干すスペース(ベランダ等)、家事室を近い場所に配置しています。
キッチンは料理の手順から冷蔵庫や収納の配置を考慮して、コンパクトに納めました。
2方向から出入りできる回遊動線を取り入れることで、家事動線を便利かつ無駄のないものにしています。
→「2-2.無駄のない家事動線」

⑩広いバルコニー
広いバルコニーは、洗濯はもちろんのこと、夏場には子どもの水浴びの場としても活かせます。
なお、このバルコニーは、1階部分の寝室から駐車場へのアプローチで、屋根の役割も果たしています。
また、LDKからバルコニーまでを成型にすることで、視界が開け、空間に広がりを感じる配置になっています。
→「3-2.コミュニケーションを意識したLDK」

ワンポイント

⑪家庭菜園
子どもの食に関する知識と食べ物を選択する力を養う「食育」のため、ぜひお庭で家庭菜園を展開してみてください。

2.子育てをイメージして動線を決めよう

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動線といっても、決して難しいことではありません。日常の生活で、家のなかを移動する道筋を考えればよいのです。

子育て中は生活が子ども中心となり、子どものための動作が必ず含まれてきます。

まずは、子育て中の生活をイメージしてみましょう。
その動きを考慮した計画を間取りに盛り込むことで、より暮らしやすい家をつくることができます。

2-1.回遊動線を取り入れる

回遊動線とは、家のなかをぐるっと一回りできる動線のことをいいます。
わかりやすくいうと「行き止まりのない間取り」のことです。

この回遊動線は、住まいの快適性や便利性を向上させるためにぜひ取り入れたいものです。
回遊動線を間取りに取り入れることで、以下のようなメリットがあります。

・各部屋へのルートが何パターンかできるため、人の往来がスムーズになる

・圧迫感がなくなり、家全体に広がりを感じられる

・もしものときの避難ルートの確保がしやすく、安心感を得られる

・家全体でほかの家族の気配を感じやすくなり、安心できる

このほかにも子育て世代におすすめしたい理由のひとつに、子どもが家のなかでのびのびと遊びまわれるということが挙げられます。
子どもは、ぐるぐると走り回るのが大好きですよね。

また、回遊動線を取り入れると、家事のための動線が便利になります。この家事動線については、以下で詳しく解説します。

2-2.無駄のない家事動線

間取りづくりの際には、家事動線を無駄のないものにしましょう。
これが建築の段階にしかできない、日々の家事の時間を減らす一番の近道です。

家事に使う時間を減らすことができれば、そのぶん子育てや自分のために使える時間が増えますね。

とくにキッチン、洗濯機、洗濯物を干すスペース(ベランダ等)は、朝などの色々な家事が重なる時間帯で並行して使うことになります。
なるべく、同一階の近い場所に配置して、動線の流れを意識するとよいでしょう。

また、以下のことも考慮して、無駄のない家事動線を間取りに盛り込んでみましょう。

・キッチンは、料理の手順を意識し、冷蔵庫や収納の配置も考慮しつつコンパクトに納める

・家事に関する部屋では、複数名の出入りが重なるとスムーズな家事に支障をきたします。二方向から出入りできるようにするのが理想的

・共働き世帯のため室内干しを行うという方は、洗濯物を干す部屋をあらかじめ動線に組み込んでおく

2-3.駐車場までの便利なアプローチ

玄関や勝手口、掃き出し窓(人が出入りできる大きな窓)など、人が出入りできる場所から車まで、スムーズに移動できるように考慮しておくとよいでしょう。

たとえば、子育てをしていると、外出中に子どもが車のなかで寝てしまった、家で寝てしまった子どもを車に運ぶ、といった状況がよく起こり得ますよね。
また、紙おむつやまとめ買いをした食料品など、重い荷物やかさばる荷物を運ぶ場面も多々あります。

そんなとき、車から家までの移動が楽だと、子育てのストレスを減らす手助けになります。

また、雨に濡れない工夫をするとより良いですね。
冒頭で紹介した間取り図では、2階のバルコニーを屋根代わりにしています。

3.子どもの成長を見越した間取り

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住まいづくりにおいて、変化する家族形態に柔軟に対応できる間取りにしておくことは、長く快適に暮らすために欠かせないことです。

特に子育て世代は、子どもの成長を見越した間取りづくりを心がけましょう。

3-1.将来を考えた子ども部屋の設計

子育てに適した間取りとして、新築の段階では広い部屋を用意しておき、将来的に2つに分けて子ども部屋として使うという方法があげられます。
注文住宅でも、建売の住宅でもスタンダードな要望になってきていますね。

子どもが小さいうちは、広い部屋を家族みんなの寝室などで利用します。

子どもが大きくなったあとは、リフォームで間仕切り壁を作って部屋を分け、個々の空間として使えるようにします。

間仕切り壁を作る場合、費用は10万~20万円、3~5日程度の日数で工事を行うことができます。

子どもが独立したあとは、客間や夫婦の個室として使うことができます。
また、子どもの独立時期はちょうど、両親との同居を考え始める時期でもあります。同居した両親の個室として使うこともできるわけですね。

子ども部屋については、将来的な計画を踏まえて考えると空き部屋が出る可能性を減らすことができます。

3-2.コミュニケーションを意識したLDK

家族間のコミュニケーションを意識したLDKとしてまずイメージされるのは、対面キッチンやオープンキッチンといった、開かれた家事スペースです。
※LDK:Lがリビング(居間)、Dがダイニング(食事室)、Kがキッチン(台所)

開かれた家事スペースは、料理や家事をしながら家族との会話が弾むというメリットがあります。

また、子どもからみても家事に対する興味が湧きやすくなり、自然とお手伝いを促せるといった嬉しい効果も期待できます。

とくに子育て世代では、リビング・ダイニングはL型などの複雑な形状でなく、長方形などの見通しのよい形状にするとよいでしょう。
成型のリビング・ダイニングならキッチンからの死角がなくなり、子どもが自由に走り回っていても、様子を見守りながら家事ができるようになります。

3-3.家族の気配をほどよく感じる間取り

「2-1.回遊動線を取り入れる」でも解説しましたが、ほどよく家族の気配を感じられる住まいは防犯面でも効果的で、精神的にも安心感を得られるものです。

しかし、2階建て住宅では、別の階にいる家族の気配を感じにくくなってしまいます。

家全体のつながりを強く感じる家にするには、廊下や階段で工夫しましょう。
声や物音を伝える廊下や階段の性質をうまく利用するのです。

・階段の踊り場を広めにとって、ワークスペースにする

・廊下にワークスペースを設ける

・2階に子供部屋を設ける場合、階段は共有スペース(リビング等)を通った先になるよう配置する

最近は勉強机を購入せず、ファミリーカウンターという家族共有の机を設けて、リビングなどで勉強するスタイルも浸透してきています。

それぞれの家庭の方針に合わせて、間取りでコミュニケーションの密度を調整してみましょう。

4.子育てには広い玄関が必要

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お出かけ前の子どもの世話は、なにかとスペースが必要なものです。
ベビーカーや三輪車に乗せる、子どもに靴を履かせるといった動作を快適に行える玄関にできるとよいでしょう。

また、玄関を広くとっておくと、後々にバリアフリー化するときにも余計な工事を行わないで済むメリットがあります。
先々を見越しても、玄関は広いほうが良いですね。

4-1.理想的な玄関の広さ

玄関には、扉を開けずに大人一人が立つことができる余裕(1.5畳程度)を確保するのが理想的です。
このスペースによって、子どもが靴を履くなどの準備をするあいだ、隣で待つことができるわけです。

また、1.5畳程度のスペースが確保できれば、手洗い器も玄関に設置できます。
子どもの手洗いやうがいの習慣づけに役立ち、家のなかに持ち込みたくない砂や泥などの汚れを落とすのにも活躍してくれますよ。

順番を待たずに3人くらいが並んで靴を履けると、外出もよりスムーズになります。
そのためには、玄関框を長め(1.8m程度)に計画するとよいでしょう。

4-2.シューズインクロークを取り入れる

シューズインクロークは玄関から靴のまま直接入れる収納スペースで、子育て世代に特におすすめです。

ベビーカー、三輪車、おもちゃ{お砂場セットなど)といった子どもが外で使うものは、砂や泥汚れがつきやすいため、室内には入れられません。
結果、玄関でそのままにしやすく、スペースを取られてしまうものです。
そういったものをシューズインクロークに収納すると、お出かけ前にもスムーズに取り出すことができ、とても便利です。

1.5畳程度確保できれば、家族4人分程度の靴だけでなく、コートや少量のアウトドアグッズも入れられます。
こういった点から子育て世代に限らず、アウトドアが趣味な方などに広く人気を集めています。将来的にも損をしない収納ですね。

5.一歩踏み込んだコンセントと照明の計画

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電気の計画は、コンセントや照明の位置のみを決めて、あとは業者にお任せとなってしまうことが多くあります。

しかし、子育て世代はもう一歩踏み込んで計画をすることで、さらに快適な住まいになりますよ。

5-1.子どもに触れさせたくない物用のコンセント

携帯電話の充電やパソコン、アイロンなど、子どもに触れさせたくない電化製品が家庭には溢れていますよね。
そのような家電のための専用コンセントを計画しておくと、お子さんに「ダメ!」「危ない!」と注意することが激減します。

子どもに触れさせたくないもののためのコンセントは、高い位置に計画しましょう。
具体的には、照明のスイッチと同等の高さ(1.2m程度)に計画すると、お子さんの手も届きません。

また、設計時に担当者に相談するときも「このコンセントは照明スイッチと同じ高さにしてください」と伝えるだけで済むので、説明が簡単になります。

子どもの安全のためにも、ぜひ意識してみてくださいね。

5-2.寝室の照明には調光機能をプラス

寝室やお昼寝に使う部屋の照明は、光に強弱をつける調光機能をつけておきましょう。

絵本の読み聞かせから寝かしつけまで、子育ての手助けになります。
とくにお子さんが小さいうちは、昼でも夜でも寝かしつけに苦労しますので、こういった工夫が大切です。

特に寝室は、間接照明を取り入れることで光源が直接目に入らなくなります。
これにより、脳に与える刺激を減らすことができ、眠りへの導入がスムーズになります。
眠りの質を向上される効果が期待できますし、寝る前のリラックスタイムにも効果があります。

6.まとめ

子育てを第一に考えられた住まいの間取りは、不思議と子育て後の将来にも寄り添い、長いあいだ暮らしやすい間取りとして機能します。

子育てに適した間取りにすることで毎日の生活がスムーズになり、お子さんの将来にもいい影響を与えるでしょう。
家族間のコミュニケーションが楽しくなるような理想の住まいを実現させてくださいね。