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太陽光発電の導入にはいくらかかる? 3つのコストから徹底解説

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2015.12.14

自宅に太陽光発電を取り付けようとしたとき、まず不安を感じるのはコストではないでしょうか。
相場もわかりにくいし、テレビや冷蔵庫といった身近な電化製品と比べてとても高額ですよね。
そのうえ、総額でいくらかかるのかという具体的な数字がなかなか見えてきません。

この記事では、太陽光発電の設置、維持、撤去にかかる一連のコストについて解説します。
太陽光発電の導入を考えている方や、見積もりに不安を感じている方にもわかりやすく解説していきます。
コストはどうやって計算すればいいのか。
メーカーはどうやって選べばいいのか。
そんな太陽光発電への不安をこの記事で解消してください。

1.太陽光発電の設置にかかるコストは一定ではない

太陽光発電を設置するために必要なコストは、一定ではありません。様々な理由によって変わってきます。
屋根の形状、設備の規模、施工業者などによって金額は変わります。
各家庭によって条件が違うので、具体的なコストがなかなか見えてこないのです。

まずは、太陽光発電にかかるコストをわかりやすくする方法をご紹介します。

1-1.太陽光発電はkW単価で選ぶとわかりやすい

前述のとおり、様々な条件によってコストは変わります。
また、太陽光パネル自体も価格や性能に違いがあり、どう選べばいいかわかりにくいですよね。
こういった理由から、太陽光発電はkW単価で選ぶとよいといわれています。

kW単価とは、発電容量1kWあたりの設備を導入するためにかかるコストのこと。その太陽光発電に、どれだけの価値があるかがわかるようになります。

kW単価を求めるには、「太陽光発電の導入のためにかかるコストの総額」を「発電容量」で割ると計算できます。
「コストの総額」には、工事費用やパワーコンディショナーなども含みます。
太陽光発電を設置するには、太陽光パネルやパワーコンディショナー、工事費用など様々なコストがかかります。
これらをひとまとめにして計算できるのが、kW単価の良いところです。

太陽光発電コスト

たとえば総額200万円をかけて5kWの発電ができる太陽光発電を設置すると、1kW単価40万円となります。

わかりにくい性能や価格の違いも、kW単価で考えることによって一目で価値がわかります。

ちなみに、2014年3月まで国から交付されていた補助金には、不当な値上げを防ぐためにkW単価50万円以上では交付されないという基準がありました。
もし見積もりでkW単価50万円前後が提示されるようなことがあれば、ほかの業者との相見積もりを行いましょう。

なお、2015年現在の1 kW単価は、30万円強がおおよその目安です。

1-2.コストに影響する保証や性能の違い

kW単価で比べれば、どのメーカーを選んでも同じなのでしょうか。
実はメーカーによって、kW単価だけでは表せない保証や性能の違いがあります。

ここでは国内の主要なメーカーである、パナソニック、シャープ、三菱、ソーラーフロンティア、京セラ、東芝について、特徴を確認していきたいと思います。
※紹介するのは各メーカーの最大の数値となっています。また、商品や条件によって、保証期間などが異なることもありますのでご了承ください。

1-2-1.保証期間を知ってコストを抑える

太陽光パネルやパワーコンディショナーには保証期間があります。
太陽光発電は一つひとつの機器が高価です。そのため、修理や買い替えは大きな出費となります。
どれだけの期間で、どんなことまで保証してくれるのかをきちんと確認しておきましょう。
今回はコストを抑えるという目的から、無償保証についてまとめます。

最も手厚い無償保証を行っているのは、パナソニックです。太陽光パネルを25年保証、パワーコンディショナーなどの周辺機器を15年保証してくれます。

三菱電機は太陽光パネルを25年保証、周辺機器を10年保証してくれます。特徴として、買い換えたパワーコンディショナーと接続箱も10年保証してくれます。

シャープは太陽光パネルを20年保証、周辺機器を15年保証してくれます。特徴として、周辺機器の保証に電力モニターが含まれていることが挙げられます。

京セラは、太陽光パネル、周辺機器ともに10年保証と他のメーカーに比べて見劣りしますが、地震以外の自然災害保証をしてくれるという特徴があります。
自然災害保証は有償保証でも含まれないことがあるので、珍しい特徴といえるでしょう。

表

 

1-2-2.長い保証ほど心強い味方になる

一口に何年保証と言っても、そのあいだに故障の恐れがあまりないのであれば有りがたみは薄くなります。
では、太陽光発電は何年くらい使えるものなのでしょうか。

国税局が発表した「自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入」によれば、太陽光パネルの耐用年数は17年とされています。
とはいえ、これはあくまでも目安。実際には発電効率は低下しつつも20年から30年ほどの運用は可能といわれています。
家庭用太陽光発電の歴史はまだ浅いので、実働が20年を超える例もあまり多くはありません。
今後、運用例が増えていくことで、数字はさらに伸びていくかもしれません。

これを踏まえると現状では、20年以上を保証してくれるパナソニック、三菱、シャープがお得だといえます。

一方、パワーコンディショナーについては太陽光パネルよりも寿命が短く、10年から15年ほどといわれています。
パナソニックとシャープの15年間の保証は、とても手厚いといえるでしょう。

1-2-3.変換効率と最大出力が発電の鍵

太陽光パネルの発電量は、ものによって差があります。
たとえば、太陽光パネルを16枚設置すると発電容量は約2.7kWになります。
しかし同じ16枚でも、約4kW の発電ができる太陽光パネルもあります。
この違いは、変換効率の差によって生まれます。

変換効率は、同じ条件・同じ面積で、どのくらいの発電ができるかを示しています。
つまり、変換効率が高いほうが、少ない枚数の太陽光パネルで多く発電できるということです。

同じく太陽光パネルの性能を表すものに、最大出力があります。
最大出力とは、太陽光発電に適した環境で発揮される最大発電量のことです。
ただ、実際には最大出力の通りに発電されることはあまりありません。
家庭用の電流に変換するときや気温などによって、電気は減ってしまうのです。

1-2-4.メーカーの特徴を知ってパネルを選ぶ

それでは、各メーカーの特筆すべき性能や特徴をご紹介します。
※ここで紹介している性能は、いずれも公称です。詳細については、各メーカーのホームページをご参照ください。

最も優れた変換効率を実現しているのが東芝で、20.1%です。
変換効率20%は、「太陽光発電ロードマップ」で2020年までの達成目標とされていた数字です。
東芝は、2013年に前倒してこの目標を達成しました。
最大出力でも250Wと高い数字を示し、設置枚数が少なくても高い発電容量を実現します。
※「太陽光発電ロードマップ」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によって策定されました。太陽光発電を主要なエネルギーに発展させることが目標となっています。

次いで変換効率が高いのがパナソニックで、19.5%です。
パナソニック独自のハイブリッド太陽光パネルHITは熱に強い特性を持ち、夏場でも発電効率が落ちにくいのが特徴です。
最大出力も250Wと高く、東芝と同様に設置枚数が少なくても高い発電容量を実現します。

続いて変換効率が高いのがシャープで、19.1%です。
公称最大出力は220Wですが、ラインナップが豊富で様々なシチュエーションに対応できます。
またシャープは、モニタリングセンターから発電量を監視するアフターフォローを行っています。
外部から発電量をチェックしてくれるのはシャープだけで、とても頼りになるサービスです。

19%以上の変換効率を達成しているのは、2015年現在で東芝、パナソニック、シャープの3社のみです。

そのほかでは、ソーラーフロンティアが特徴的な太陽光パネルを扱っています。
公称変換効率14.0%、公称最大出力170Wと他のメーカーに比べて見劣りしますが、CIS太陽電池の性質により、太陽光に当たることで変換効率が増加するという特徴があります。
ほかにも熱によるロスが少ない、部分的な影による影響が少ないといった特徴があり、数字以上の性能を持っているといえるでしょう。

表02

1-3.パワーコンディショナーも必需品

パワーコンディショナーは、発電した電気を家庭で使える交流の電気へ変換する装置です。

相場は25万円から50万円ほどで、メーカーによって性能に差があります。
しかし、メーカーでパワーコンディショナーを選ぶ場面はあまりないでしょう。
なぜかというと、保証の問題があるからです。
太陽光パネルと同じメーカーにしないと、メーカー保証を受けられないのです。
現状では、太陽光パネルの抱き合わせのようなかたちで購入することがほとんどです。

ちなみにヨーロッパでは、パワーコンディショナーは自分で選ぶもので、シビアに性能が見極められています。
日本でも三菱電機が7年連続で電力変換効率1位を獲得するなど、メーカーによる性能の差がみられます。
ヨーロッパのようにパワーコンディショナーも選べるようになれば、さらに選択肢が広がりますね。

1-4.モニターは節電意識の大きな支え

発電量や消費電力を確認できるモニターですが、実は取り付け義務はありません。
価格は2万円程度から10万円を超えるものまであります。
これに加え、計測のための機器も必要となります。

モニターを設置することにより、どれだけ発電し、どれだけ電気を使ったかがわかるので、節電の意識が高まるという効果があります。
その一方で、初めは物珍しさで一日に何回も確認したけれど、やがて確認するのを止めてしまったという声もあります。

とはいえモニターがないと、太陽光発電が正常に稼働しているのか確認が難しくなります。
毎日スイッチを入れて動かすような機械ではないので、メンテナンスの観点からの必要性は高いといえるでしょう。

また今後、HEMS(Home Energy Management System)という家庭で使うエネルギーを管理し、省エネを目指すシステムの設置が進められます。
国家戦略室が発表した「グリーン政策大綱」によれば、2030年までに全世帯へHEMSを普及させるという目標が掲げられています。
HEMSは太陽光発電の管理だけでなく、家電をネットワークでつないで管理し、コントロールできます。
外出先からエアコンを付けたり、自動で照明の明るさを調整してくれたり、様々な機能があります。
いずれ設置するものですから、モニターの代わりに先取りするのもよいかもしれませんね。

1-5.売電制度でコストの元を取ろう

太陽光発電のコストを考える上で、売電によって得られる利益はとても重要です。
これによって、太陽光発電にかかるコストの元が取れてしまうわけです。
まず、売電価格について確認してみましょう。

2015年度の売電価格は33円/kWh(出力制御対応機器設置義務ありの場合は35円/kWh)です。
2009年度では48円/kWhだったので、大きく下がってしまったのがわかります。
では、15円でどれだけの差が出るのでしょうか。
仮に年間5,000 kWhの発電があったとします。2015年度では165,000円、2009年度では240,000円となり、75,000円もの差が出ます。
売電価格は毎年下がっており、この傾向は続いていくとみられています。

ただし、固定価格買取制度によって、導入時の売電価格が10年ないし20年間保証されます。
例えば2015年に太陽光発電を導入すれば、2025年または2035年まで33円の売電価格が保証されます。
太陽光発電はできるだけ早く導入したほうがよいといわれるのは、このためです。

1-6. 地方自治体から補助金がもらえることもある

2014年3月31日をもって国からの補助金は終わってしまいましたが、まだ各自治体からは補助金を受け取れる場合があります。

金額は自治体によって異なり、5万円程度から数十万円まで支給される場合があります。
なお、申請期間や予算額が決まっていることがあります。
利用を検討される方は、役所まで直接問い合わせると良いでしょう。

また、インターネット上では各自治体の公式サイトだけでなく、全国の補助金を調べられるサイトもありますので、まずはこちらを利用してみても良いかもしれません。

2.メンテナンスで余計なコストを防ごう

現在、メンテナンスへの考え方が変わり始め、太陽光発電のコストとしてメンテナンス費用が含まれるようになってきました。

かつては各メーカーから、「太陽光発電にメンテナンスの必要はない」という宣伝がありました。
そのせいか、いまだに太陽光発電は放置したままで大丈夫と宣伝されていることがあります。
しかし、屋外に長いあいだ設置するものですから、当然ながら故障のリスクはあります。
定期的にメンテナンスを行うことによって、故障の早期発見や性能の維持につながります。

経済産業省資源エネルギー庁「太陽光発電フィールドテスト事業に関するガイドライン基礎編(2013 年度版)」によれば、故障からの復旧に最大で5ヶ月かかっている事例もあります。
故障しているあいだは、発電ができません。当然、売電による利益も得られません。
メーカー保証の期限が切れていれば、修理費用もかかります。
故障は、金銭的に二重の意味で損失となってしまいます。

2-1. メンテナンスの頻度と費用について

では、メンテナンスはどれくらいの頻度で行うべきで、費用はどれくらいかかるのでしょう。
頻度としては、4年に一度以上。20年の運用で、およそ30万円の費用を想定しておくと良いでしょう。

では、費用の内訳について解説します。
メンテナンスの費用は、内容にもよりますが1回あたり2万円以上は準備しておきましょう。
これに加え、パワーコンディショナーの買い替え費用も考えなければいけません。
「1-2-2.長い保証ほど心強い味方になる」で述べたとおり、10年から15年で寿命を迎えるためです。

頻度については、「太陽光発電フィールドテスト事業に関するガイドライン基礎編(2013 年度版)」では、年2回を想定しています。
まめに行うことも大切でしょうが、一回につき数万円はかかるものですからコスト面では負担になってしまいます。

太陽光発電協会の「太陽光発電システム保守・点検ガイドライン【住宅用】」によれば、4年ごとに1回以上のメンテナンスを推奨しています。
現在はこのガイドラインをもとに、4年に1回のメンテナンスが目安となっています。

3.最後に撤去コストがかかることを忘れずに

あまり話題には上がりませんが、撤去するのにも費用はかかるということを忘れてはいけません。

しかし、そもそも停止した太陽光パネルは撤去しなければいけないのでしょうか。
結論からいえば、慌てて取り外すことはありません。

パネルを設置したままにするデメリットとして、屋根の修繕ができないことが挙げられます。
取り外してからではないと作業ができないためです。
また、保守管理が甘いと、強風などの災害によりパネルの落下事故につながることがあります。
機能が停止していても、設置を続ける以上は安全に取り付けられているか確認しなければいけません。

2015年現在、不要となったパネルの処理については明確に定められていません。
前述のとおり、家庭用の太陽光発電の歴史はまだ浅いためです。
使用済み太陽光パネルの回収については、一般財団法人太陽光発電システム鑑定協会がサービスを開始したばかりです。
なお、太陽光パネルにはリサイクル可能な物質だけでなく有害物質も含まれているので、個人での処理はできません。

撤去にあたっては、設置の際と同様に工事費が必要になります。
資源エネルギー庁の「太陽光発電システム等の普及動向に関する調査」によれば、2012年度(2012年4~12月)時点の平均で74,609円/kWがかかっています。
これと同程度の費用が必要となるのでしょう。
取り付けたものは、処理するのにもお金がかかるということを念頭に置いておくべきでしょう。

4.まとめ

太陽光発電にかかるコストについて一通り見てきました。
大事なことは、予算や自宅の環境から自分にあった太陽光発電を選ぶことです。
目先のコストだけでなく、将来を見据えたコストを意識してみましょう。